(仮称)オルタナティブ教育法──第4回JDEC日本フリースクール大会(2012年2月3日・4日東京)

2月3日・4日は、東京でおこなわれた「第4回JDEC日本フリースクール大会」に参加しました。JDECとは、Japanese Democratic Education Conferenceの略です。今年で、4年目を迎えました。

第4回JDEC日本フリースクール大会
http://www.freeschoolnetwork.jp/jdec/jdec2012.html


JDECの主催は、NPO法人フリースクール全国ネットワーク(略称:フリネット)という団体です。日本のフリースクールは、不登校で行き場を失った子どものために居場所を開き、学校に代わる学びと育ちの場を作る活動をしているところと言えるでしょう。フリネットは、そうした全国のフリースクールをつなぐ団体で、不登校政策に対する提言なども発表しています。このフリネットの事務局は、フリースクール東京シューレの王子校のなかにあります。

フリースクール全国ネットワーク
http://www.freeschoolnetwork.jp/


JDECの目的の一つには、「(仮称)オルタナティブ教育法」(以下、オルタナ教育法と略)の話し合いがあります。オルタナティブ(alternative)とは、『広辞苑』(第6版)によると、「①代案。代替物。②既存の支配的なものに対する、もう一つのもの。特に、産業社会に対抗する人間と自然との共生型の社会を目ざす生活様式・思想・運動など。」という意味です。したがって、オルタナティブ教育とは、広義には、伝統的な公教育以外の教育を指します。フリースクールも、オルタナティブ教育の一つです。

オルタナ教育法は、オルタナティブ教育を、学校教育法の定める教育に並ぶ教育として法的に位置づけるものです。その骨子案は、インターネット上のページで公開されています(ただし、ネット公開されている骨子案はVer.1。第4回JDECで配布された骨子案はVer.2)。諸外国ではオルタナティブ教育が法的に認められ、およそ1割の子どもたちがこうした教育を受けていると言われています(永田佳之『オルタナティブ教育』, i-iv頁)。オルタナ教育法は、諸外国で認められているオルタナティブ教育を日本でも法的に認めて促進する法律です。骨子案「1 目的」には、「この法律は、子どもの個性を尊重し、多様な学習ニーズに応じて、学校教育法に定める学校以外の「普通教育」のための学習の場を公教育として位置づけ、オルタナティブ教育の促進を図ることを通して、子どもの学ぶ権利を保障することを目的とする。」とうたわれています。

オルタナティブ教育法(仮称)
http://aejapan.org/

(仮称)オルタナティブ教育法骨子案Ver.1_20110307
http://aejapan.org/wp/wp-content/uploads/5416c6a54152fad8fcb0980716b8e198.pdf


オルタナ教育法骨子案のポイントは、以下の3点にあると思われます。

(1)オルタナティブ教育も普通教育として認める。
(2)国・地方自治体や学校法人以外でも、普通教育であるオルタナティブ教育を実施できる。
(3)普通教育であるオルタナティブ教育を実施する機関には、公費助成をおこなう。

つまり、普通教育の内容と主体に関する条件を緩和し、そこに公費助成をすることで、さまざまな人たちが自分の望む学校を作りやすくし、多様な教育の選択肢を実現するというものです。さらには、多様な教育の実現によって、不登校の子どもたちも自分に合った教育を受けられやすくなり、不登校による傷つきや自信喪失などを防ぐということも目指されています。保護者も、子どもに普通教育を受けさせる義務(憲法26条)をオルタナティブ教育で果たすことが可能になります。「不登校は制度公害」(古山明男『変えよう!日本の学校システム』, 14-36頁)とも言われますが、日本の画一的な学校制度が不登校の苦しみを深刻なものにしていることは間違いないと思われます。オルタナ教育法は、窮屈な日本の教育制度に新風を吹き込むと期待されます。


さて、これまでオルタナ教育法は、フリネットの「新法研究会」という組織で議論されてきました。今回の第4回JDECでは、新法研究会を母体に、別団体として「オルタナティブ教育法を実現する会」を発足する提案が採択されました。つまり、フリースクールを中心とするフリネットの内部でおこなわれていた議論を外部に開き、シュタイナー教育、デモクラティックスクール、外国人学校・インターナショナルスクール、ホームエデュケーションといった多様なオルタナティブ教育を実践する団体や個人、一般の市民、研究者や識者、議員など、オルタナ教育法の実現を願う多くの人びとが参加できるプラットフォームができるということです。「オルタナティブ教育法を実現する会」の事務局はフリネットが担当することになっており、今後の「実現する会」の動きはフリネットのホームページで公表されることになっています。


<「高山龍太郎」のブログより>
「(仮称)オルタナティブ教育法」改め「子どもの多様な学びの機会を保障する法律」
http://r-takayama.at.webry.info/201210/article_3.html

「オルタナティブ教育法を実現する会」設立総会(2012年7月8日、東京都渋谷区)
http://r-takayama.at.webry.info/201206/article_2.html




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