「多様な教育機会確保法(仮称)案」の概要

さる2015年5月27日16時から、憲政記念館第一会議室にて、超党派フリースクール等議員連盟・夜間中学等義務教育拡充議員連盟合同総会が開かれました。そこで、「多様な教育機会確保法(仮称)案」【概要】[座長試案](義務教育の段階における普通教育の多様な機会の確保に関する法律案(仮称))が示されました。来る2015年6月16日には、「多様な教育機会確保法(仮称)制定を目指すフリースクール等院内集会」も開かれます。

多様な教育機会確保法(仮称)制定を目指すフリースクール等院内集会2015年6月16日東京都千代田区
http://r-takayama.at.webry.info/201506/article_1.html


この合同総会の配布資料を目にする機会がありました。夜間中学等義務教育拡充議員連盟会長と超党派フリースクール等議員連盟幹事長を務める馳浩議員のブログによれば、試案について議連メンバーより異論はなかったということですので、資料にもとづいて、「多様な教育機会確保法(仮称)座長試案」の概要をまとめたいと思います。

多様な教育機会確保法(仮称)案 【概要】座長試案 PDFダウンロード(鳴かず飛ばず働かず──ひきこもり名人、勝山実。生涯、半人前でいい。)
http://ponchi-blog.cocolog-nifty.com/blog/2015/06/pdf-fb70.html

はせ浩 オフィシャルブログ「はせ日記」 5月27日
http://ameblo.jp/hase-hiroshi/entry-12032027721.html


さて、「多様な教育機会確保法(仮称)案」を一言でまとめれば、「教育委員会が認定すれば、保護者の就学義務履行の条件が緩和され、不登校などによって義務教育を実質的に受けていない人の教育機会が確保される」というものです。

義務教育:不登校児のフリースクールを容認 法案提出へ(毎日新聞2015年5月28日)
http://mainichi.jp/select/news/20150528k0000m010065000c.html


具体的には、この法案は、就学義務の履行における「場」「年齢」「国籍」の3つの条件の緩和を目指しています(就学義務については下記を参照)。

小・中学校への就学について(文部科学省)
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/shugaku/


保護者の就学義務は、子どもが義務教育としての普通教育を受ける権利を保障するために課されているものです。権利の主体である子どもの立場から、この「場」「年齢」「国籍」の3点について書くと、

場:小中学校など以外でも、義務教育としての普通教育を受ける権利を認める

年齢:15歳を過ぎても、義務教育としての普通教育を受ける権利を認める

国籍:外国籍であっても、義務教育としての普通教育を受ける権利を認める

ということになります。


さらに、多様な教育機会確保法(仮称)案は、上記のような子どもの教育を受ける権利を保護者が保障できるように、国や地方公共団体の責務を明確化し、「財政上の措置」などの必要な措置をとる「努力」を国や地方公共団体に求めています。


上記の毎日新聞(2015年5月28日)は、「法案が成立すれば、義務教育の場を小中学校に限定してきた戦後教育の大転換になる。」と書いています。
「教育委員会の認定」という限定がありますが、義務教育を受ける子どもの学ぶ場・年齢・国籍が拡大・多様化することになるので、確かに「大転換」であると思います。

「財政上の措置」という文言が盛り込まれていることから、学校選択制や教育バウチャー制などが義務教育に大幅に導入される可能性もあります。


この法案の座長試案には「文部科学大臣は、地方公共団体、民間の団体その他の関係者の意見を聴いた上で、基本方針を定めなければならない。」とあります。
これは、中央教育審議会を念頭においたものだそうです。
法案成立後は、中教審で具体的な制度設計の議論がなされることになると思います。

中央教育審議会について(文部科学省)
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo0/gaiyou/010201.htm


ちなみに、馳浩議員のブログには、「これが成立すれば、来年度、文部科学省に経済的支援の仕組みを「学校教育法改正」で示してもらうという、二段構え。」(2015年5月27日の記事)と書かれています。
http://ameblo.jp/hase-hiroshi/entry-12032027721.html


今後の動向から、目を離せません。



<高山龍太郎のブログより>

多様な教育機会確保法の条文案(未定稿)における「個別学習計画の支援・勧告・修了」と「就学義務の履行」
http://r-takayama.at.webry.info/201508/article_6.html

多様な教育機会確保法の条文案(2015年8月11日付け未定稿)における「個別学習計画の認定と修正」
http://r-takayama.at.webry.info/201508/article_5.html

多様な教育機会確保法の条文案(未定稿)における「基本指針」と「多様な教育機会の確保に関する施策」
http://r-takayama.at.webry.info/201508/article_4.html

多様な教育機会確保法の条文案(未定稿)における「国と地方公共団体の責務」と「財政上の措置等」
http://r-takayama.at.webry.info/201508/article_3.html

多様な教育機会確保法の条文案(2015年8月11日付け未定稿)における「目的」と「基本理念」
http://r-takayama.at.webry.info/201508/article_2.html

多様な教育機会確保法における財政上の措置の必要性
http://r-takayama.at.webry.info/201508/article_1.html

多様な学び保障法を実現する会総会・公開イベント「多様な教育機会確保法を知ろう」に参加して
http://r-takayama.at.webry.info/201507/article_5.html

教育支援センター実態調査にみる地域格差──第7回不登校に関する調査研究協力者会議①
http://r-takayama.at.webry.info/201507/article_4.html

多様な学び保障法を実現する会「多様な教育機会確保法を知ろう」(2015年7月26日、東京都新宿区)
http://r-takayama.at.webry.info/201507/article_3.html

多様な教育機会確保法案は就学校指定制度の拡大である
http://r-takayama.at.webry.info/201507/article_1.html

多様な教育機会確保法(仮称)制定を目指すフリースクール等院内集会に参加して
http://r-takayama.at.webry.info/201506/article_6.html

「多様な教育機会確保法(仮称)案」における不登校支援の仕組み
http://r-takayama.at.webry.info/201506/article_5.html

「多様な教育機会確保法(仮称)案」の概要
http://r-takayama.at.webry.info/201506/article_4.html

フリースクール等を義務教育として認めてもよいと考える保護者は63.2%──義務教育に関する意識調査
http://r-takayama.at.webry.info/201506/article_3.html

黒柳徹子著『窓ぎわのトットちゃん』とフリースクール
http://r-takayama.at.webry.info/201506/article_2.html

多様な教育機会確保法(仮称)制定を目指すフリースクール等院内集会2015年6月16日東京都千代田区
http://r-takayama.at.webry.info/201506/article_1.html

不登校に関する調査研究協力者会議「不登校児童生徒への支援に関する中間報告<たたき台>」
http://r-takayama.at.webry.info/201505/article_1.html







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